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歯科豆知識

2024.12.6 酸蝕歯(さんしょくし)とは?その原因と予防方法

 

こんにちは。枚方市長尾のピノデンタルオフィス枚方長尾の院長、日野です。

今回は、「酸蝕歯」という歯の病気について詳しくお話ししたいと思います。酸蝕歯は、近年多くの方が悩む歯の問題であり、知らず知らずのうちに進行してしまうこともあります。特に食生活や生活習慣が影響を与えるため、早期に気づいて適切な対処をすることが大切です。この記事では、酸蝕歯の原因や症状、予防方法についてご説明いたしますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

 


 

酸蝕歯とは?

 

酸蝕歯は、歯のエナメル質が酸によって溶けてしまう病気です。エナメル質は歯の最も外側にある硬い層で、歯を保護する役割を担っています。しかし、酸性の物質が口腔内に頻繁に存在すると、エナメル質が少しずつ溶け出し、歯の表面が傷ついたり、薄くなったりすることがあります。この状態が進行すると、歯が弱くなり、知覚過敏や歯の変色、形の変化などが現れることがあります。

酸蝕歯は痛みが少ないため、初期の段階では気づかないことが多いです。しかし、進行すると歯の強度が低下し、噛む力にも影響を及ぼすため、早期の発見と対処が重要です。

 


酸蝕歯の原因

 

酸蝕歯は、さまざまな原因で引き起こされますが、特に次のようなことが主な原因として挙げられます。

 

1. 酸性の食品や飲み物の摂取

炭酸飲料やスポーツドリンク、果物ジュースなどの酸性の飲み物は、酸蝕歯の原因となります。これらの飲み物は口腔内のpHを下げ、エナメル質を溶かす原因になります。特に、これらを長時間口の中に含んだり、頻繁に摂取したりすることで、エナメル質の損傷が進行します。

また、酸味の強い食品やジュース(レモン、オレンジ、グレープフルーツなど)も酸蝕歯を引き起こす原因です。これらを食べた後、すぐに歯を磨くと、傷ついたエナメル質をさらにダメージを与えることになりますので注意が必要です。

 

2. 胃酸の逆流

胃酸が逆流して口腔内に達することが、酸蝕歯を引き起こす原因になることがあります。胃食道逆流症(GERD)や逆流性食道炎などの症状を持つ方は、胃酸が食道を通り越して口腔内に達することがあり、その影響で歯のエナメル質が溶けてしまいます。

この場合、酸の影響を受けやすい部分は歯の内側であり、特に歯の裏側や奥歯に酸蝕歯が現れやすい傾向があります。胃酸の逆流を防ぐために、食後の姿勢や食生活を見直すことが重要です。

 

3. 口腔内の乾燥(ドライマウス)

唾液は酸を中和する働きを持っており、口腔内が乾燥するとその役割が十分に果たせなくなります。ドライマウス(口腔内乾燥症)は、唾液分泌量が減少するため、酸蝕歯のリスクを高めます。特に、薬の副作用やストレス、加齢が原因で唾液分泌が減少することが多いです。

口腔内の乾燥が気になる場合は、口の中をこまめに湿らせるために水分を摂る、ガムを噛む、加湿器を使用するなどの対策を行いましょう。

 


酸蝕歯の症状

 

酸蝕歯は、進行するといくつかの症状を引き起こします。初期段階では自覚症状がほとんどないことが多いですが、症状が進むと以下のような変化が現れます。

 

1. 歯がしみる

酸蝕歯が進行すると、冷たいものや熱いもの、酸っぱいものを食べたり飲んだりしたときに歯がしみることがあります。エナメル質が薄くなり、歯の内部にある神経が敏感になるためです。このような症状が現れた場合、早期に歯科を受診することをお勧めします。

 

2. 歯の形や色が変わる

酸蝕歯が進行すると、歯の先端が丸くなったり、削れたりすることがあります。また、エナメル質が薄くなることで、歯が黄色っぽく見えることもあります。特に前歯では、見た目に大きな影響を与えるため、審美的な問題にも繋がります。

 

3. 歯の摩耗

酸蝕歯が長期間進行すると、歯の表面が摩耗し、歯が小さく見えることがあります。また、噛み合わせが悪くなることがあるため、食事や会話にも影響が出ることがあります。


酸蝕歯の予防方法

 

酸蝕歯は予防が可能です。生活習慣を見直すことで、酸蝕歯のリスクを大きく減らすことができます。以下の予防方法を実践して、健康な歯を守りましょう。

 

1. 酸性飲料を控える

炭酸飲料やスポーツドリンク、果物ジュースなど、酸性の強い飲み物はなるべく控えるようにしましょう。どうしても飲みたい場合は、ストローを使って飲み物が歯に直接触れないようにするとよいでしょう。また、食事中に酸性の飲み物を摂取すると、酸の影響を和らげることができます。

 

2. 食後にすぐに歯磨きをしない

酸性のものを食べた後、すぐに歯磨きをすると、エナメル質が柔らかくなっている状態でブラシが当たり、かえって歯を傷つける可能性があります。酸性の食べ物を摂取した後は、少なくとも30分程度は歯磨きしないようにしましょう。

3. 唾液の分泌を促進する

唾液は酸を中和する働きを持っているため、唾液の分泌を促すことが酸蝕歯の予防に役立ちます。水分をこまめに摂ることや、ガムを噛むことで唾液の分泌を助けることができます。

4. 定期的に歯科検診を受ける

酸蝕歯は初期段階では症状があまり現れないため、定期的に歯科でチェックを受けることが大切です。歯科医師による早期の診断とアドバイスが、酸蝕歯の進行を防ぐために非常に有効です。


まとめ

 

酸蝕歯は、食生活や生活習慣が影響を与える歯の病気です。日常的に注意して予防することで、健康な歯を守ることができます。特に酸性飲料の摂取や食後の歯磨き方法に気をつけることが大切です。もし気になる症状が現れた場合は、早期に歯科で相談することをお勧めします。

枚方市長尾のピノデンタルオフィス枚方長尾の院長、日野でした。

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