スマートフォンやタブレットを見ながらの食事。現代人にとってはもはや日常の光景とも言えるかもしれません。ですがその習慣、実は歯や歯ぐきにとって“危険信号”かもしれません。
知らず知らずのうちに歯に負担をかけている「ながら食べ」の影響を知り、虫歯や歯周病から歯を守るための正しい食べ方について、歯科医の視点からお伝えします。
食事中、スマホに夢中になっていると、ついつい食事の時間が伸びてしまったり、噛む回数が減ったりしますよね。
この“食事に集中しない状態”が続くと、口の中が長時間酸性に傾き、歯の表面(エナメル質)が溶けやすくなってしまいます。
さらに、食事が終わったことに気づきにくく、歯磨きのタイミングを逃すことも。こうした小さな習慣の積み重ねが、虫歯や歯周病の発症リスクを高める原因になります。
しっかり噛むことは、唾液の分泌を促すうえでとても大切です。唾液は口の中を清潔に保ち、酸を中和し、歯を修復する働きを持っています。
ながら食べにより咀嚼回数が減ると、唾液が十分に出なくなり、細菌の活動を抑える力も弱まってしまいます。これは、歯だけでなく歯ぐきにも悪影響を及ぼします。
スマホを操作しながらのおやつ、動画を観ながらのスイーツ。これらは気分転換になるかもしれませんが、口腔内には大きな負担です。
間食が頻繁になることで、歯が酸にさらされる時間が長くなり、虫歯菌が活発に働きやすい状態が続きます。
しかも、だらだらと食べ続けることは、歯周病の進行にもつながりやすく、注意が必要です。
● 1. スマホを置いて「食べること」に集中する時間を作る
食事中は画面から離れて、しっかり噛んで味わうことを意識しましょう。
● 2. 間食は1日1~2回にとどめ、時間を決めて摂る
再石灰化のチャンスを確保するために、食事と食事の間に十分な間隔をあけましょう。
● 3. 甘い飲み物の“ちびちび飲み”は避ける
ジュースや砂糖入り飲料を少量ずつ長時間摂るのは、虫歯リスクを高めます。水やお茶を選びましょう。
● 4. 食後はできるだけ早く歯磨きを
特に間食後は、歯磨きやマウスウォッシュなどで口腔内をリセットする習慣を持ちましょう。
スマホを見ながらの食事は、便利で楽に感じる反面、知らず知らずのうちに歯の健康を損なっている可能性があります。
「ながら食べ」を見直し、意識的に噛むこと、間食を控えること、歯磨きを習慣づけること――これらはどれも今日からできるシンプルな行動です。
毎日の小さな選択が、あなたの歯を虫歯や歯周病から守る大きな力となります。歯を守る第一歩として、まずは“食べ方”から見直してみませんか?
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