会話の前やマスクの中でふと自分の息が気になるとき、ミントタブレットやミントガムで口をスッキリさせていませんか?
手軽で爽快感もあり、多くの人が「口臭対策の定番」として取り入れている方法です。
しかし実際には、そのケアがかえって口臭を悪化させていることもあります。
「ミントを使えばにおいは消える」と思っている方にこそ知ってほしい、ミントの落とし穴と、口臭を根本から改善する正しい方法についてお伝えします。
ミントに含まれるメントールや香料には、清涼感を感じさせる作用があります。口の中がスースーして「スッキリした」「においがなくなった気がする」と安心してしまうのも無理はありません。
ですが、その清涼感はあくまで感覚の問題。
実際には、においの原因である細菌や汚れはそのまま残っており、ミントの香りがそれを一時的にマスキング(覆い隠す)しているにすぎないのです。
つまり、「においを消している」のではなく、「においをごまかしている」状態だということを理解しておく必要があります。
口臭の大半は、お口の中にある汚れや細菌が原因です。ミントで隠すだけでは対応できない、主な原因を確認しておきましょう。
● 舌の表面の汚れ(舌苔)
舌の表面に付着する白っぽい汚れ。食べかすや細菌、古い細胞のかたまりで、強烈なにおいを発することがあります。
● 歯周病やむし歯
炎症のある歯ぐきや、進行したむし歯に繁殖する細菌が、においのもとになります。自覚症状がない場合でも、においだけ先に出ることも。
● 口の中の乾燥(ドライマウス)
唾液が減ると、自浄作用が低下して細菌が増加します。口呼吸やストレス、加齢、薬の副作用などが原因になることもあります。
● 食生活・生活習慣
脂っこい食事、ニンニク、アルコール、喫煙なども一時的な口臭の原因になります。水分不足や寝起きの口臭も含まれます。
● 胃腸などの体のトラブル
内臓由来のにおいもゼロではありませんが、実際は9割以上が口の中の原因だと言われています。
ミントを使うことで一時的に安心し、根本的なケアが疎かになると、むしろ口臭が悪化してしまうことがあります。
● 歯みがきや舌のケアを怠る
ミントで「においが消えた」と思い込んでしまうと、清掃意識が低くなり、においの元がどんどん蓄積されます。
● 砂糖入りのミント製品でむし歯が進行
ミントタブレットの中には糖分を含むものも多く、むし歯や歯周病の原因となる細菌のエサになってしまいます。
● においの強化スパイラルに陥る
ケア不足 → 口臭が強くなる → ミントでごまかす → さらにケアを怠る → さらに悪化、という負のループに陥る可能性もあります。
口臭を根本から改善するためには、においを「ごまかす」ではなく、「発生させない」ことがカギです。以下の5つは、今日からできる基本的な口臭対策です。
舌ブラシや舌クリーナーで、舌の表面の汚れをやさしく除去しましょう。1日1回でOK。強くこすらず、奥から手前に軽くなでる程度が理想です。
歯ブラシだけでは落としきれない歯間の汚れを、フロスや歯間ブラシで補いましょう。これがあるとないとでは、口臭への効果が大きく変わります。
唾液は天然のうがい薬とも呼ばれるほどの洗浄力を持ちます。水分をこまめにとる、よく噛む、唾液腺マッサージなどを意識しましょう。
刺激物、においの強い食べ物、脂っこいメニューに偏っていませんか?食べたあとにしっかり口をゆすぐ・歯を磨くなどの対応も忘れずに。
プロの目で、においの原因がどこにあるかを診てもらいましょう。歯周病や歯石が原因であれば、専門的な処置で改善が可能です。
ミントのスッキリ感は、気分を切り替えるには便利ですが、口臭を根本からなくすためには十分ではありません。むしろ、清涼感に安心してしまうことで、本当に必要なケアを怠ってしまうリスクすらあるのです。
大切なのは、においの原因を理解し、毎日の生活の中で正しい習慣を取り入れること。
そして、必要があれば歯科医院でのチェックやプロによるクリーニングを受けることで、確実に改善していくことができます。
ミントに頼らず、自信の持てる息と笑顔を手に入れてみませんか?
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
午前 | ● | ● | ● | ─ | ● | ● | ─ |
午後 | ● | ● | ● | ─ | ● | ● | ─ |
午前:9:00~13:00
午後:14:00~18:00
※祝日がある週の木曜は診療しております。
休診日:木曜・日曜・祝日