食事の際に「しっかり噛む」ことは、歯や全身の健康を維持するために欠かせません。よく噛むことで唾液が多く分泌され、口の中が潤い、細菌の増殖を抑える効果があります。その結果、虫歯や歯周病の予防に役立ちます。
また、顎や顔の筋肉が使われることで、咀嚼力や表情の豊かさを保つ効果も期待できます。さらに、噛む動作は脳を刺激し、集中力や記憶力の向上につながることも知られています。子どもにとっては、顎の健やかな発育にも関わる大切な習慣です。
昔から「硬い食品は歯を鍛える」と言われますが、これは誤解を含んでいます。歯は筋肉と違い、使えば強くなるわけではありません。むしろ、硬い食品を無理に噛むことで歯にヒビが入ったり、詰め物や被せ物が壊れたりすることがあります。
特に歯ぐきが弱い方や高齢者では、硬い食品によるトラブルのリスクが高くなるため注意が必要です。
健康のためと思って食べている食品でも、歯に負担をかけるものがあります。
氷をそのまま噛む
スルメや煮干しを固いまま食べる
フランスパンの硬い部分をかじる
堅焼きせんべいを力いっぱい噛み砕く
骨を直接噛む習慣
これらは歯を強くするどころか、破損やヒビの原因になりやすいため、習慣的に食べるのは避けた方が無難です。
歯を守りながら噛む力を育てるには、硬すぎず程よい弾力のある食品を取り入れることがポイントです。
れんこん、ごぼう、にんじんなどの根菜類(加熱して食べやすくする)
大豆、枝豆、ナッツ類(量を調整し一粒ずつ噛む)
きんぴらごぼうやひじきなどの繊維質を含む料理
小魚や柔らかめの乾物
玄米や雑穀ごはんなど噛む回数が自然に増える主食
こうした食材は自然と咀嚼を促し、歯や歯ぐきへの負担を和らげながら噛む習慣を身につけるのに役立ちます。
大切なのは食品の硬さではなく、噛み方そのものです。毎日の食事で少し意識を変えるだけで、歯の健康状態に大きな違いが出ます。
一口につき20〜30回噛むことを意識する
左右の歯をバランスよく使う
急いで飲み込まず、ゆっくり咀嚼する
これらを続けることで、虫歯や歯周病の予防だけでなく、咀嚼力や全身の健康維持にもつながります。
「硬いものを食べれば歯にいい」という考え方は必ずしも正しくありません。むしろ、硬すぎる食品は歯や詰め物を壊す原因になることがあります。
特に詰め物や被せ物が多い方、歯ぎしりの癖がある方、歯周病のリスクが高い方、矯正やインプラント治療中の方は注意が必要です。
歯を本当に守るためには、硬い食品に頼るのではなく、日々の正しい噛み方と食習慣を身につけることが大切です。気になることがあれば、歯科医院で相談してみましょう。
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